・5月3日(金) 雨→曇

 朝,目が覚めたら雨が降っていた。それも本降り。少し気分が滅入る。昨日も途中で雨にあったが、さして強くなく時間的にも半時間程度でやんでしまった。しかし今日はどうみてもすぐにはやみそうもない。
 食事のため1Fに降りるとマダムが「非常にキュートな女性が2人泊まっているいるから声をかけたらどうだ」としきりに薦める。本人をみてみたが...欧州人と日本人の美的感覚の違い...かな...

 食事が終わってすぐにホテルをチェックアウトし、雨のなかバスで駅に向かう。まずはブリュッセルへの移動だ。

 もう慣れた列車で11時頃にブリュッセル南駅に到着し、メトロを利用して本日の宿があるルイーズ広場を目指す。
 
 メトロの駅の階段で数人の子供に取り囲まれ(手に古新聞を持っている)一瞬ひるんだが、友人の一喝でちりじりになった。こちらへきて初めて、財布の危険を感じる出来事だった。さすが大都会だと妙な関心をした。例によってチェックイン後すぐに観光に出発。
この町にいられるのは今日だけなので、忙しい。幸い雨もあがっている。ガイドブックの教えに従って、グランパレスへと向かう。残念ながら王宮や市庁舎は休館日に当たっており見学できない。(やはり一つの街に最低2日は割かないと今回のようなことになってしまう)

 時間もないことなので、ワッフルを露店で購入し昼食にあてる。結構おいしい。まずは小便小僧をみなくてはなにも始まらないってことで、見に行く。想像していたものよりは小さいものだった。でも日本のそれとは違い、洋服を着せられておりかわいい。

 その後新名所? 「小便小娘」を見に行く。ガイドブックには「複雑な顔をして下を向く人が多い」と書いてあったが、確かに男である私にとっては少々恥ずかしいものがある。あまりにもリアルにつくられすぎているのだ。
 路地裏の暗い場所に置かれているため訪れる人は少ないが、でもほっとしたような少女の表情はすばらしいもので、妙に存在感のある像である。

 その後王立美術館へと向かったが、すでに閉館時間間際で駆け足で(っていうか最後のほうは本当に走った)見てまわる。結構すばらしい絵がたくさんあったようであるが、ほんとど見ることができなかった。これは完全な時間配分のミスである。

 夕食はイロ・サクレのシェ・レオン(ムール貝料理で有名な店でチェーン店だ)でとる。目的は当然バケツ1杯のムール貝。当初英語で店の人に話かけたのだが、思いっきり無視されてしまった。私たちの英語が通じなかったのかも知れないが、それよりも「英語」で話かけたがために無視されたような気もする。事実通じてないはずの日本語とフランス語の単語を並べると急ににこにこと対応してくれたのだから...

そ れはそうとして本当にすごい量である。目の前にはバケツでなく皿にのってきたのであるが、それを食べきる頃にはお腹がいっぱいになっていた。ところが我々が食べ終わったのをみてウェイターが再度皿に取り分けてもってきてくれた。どうやら最初のは半分だったようで、一度にもってきてしまうと冷めてしまうからという配慮だったようだ。これには参った。でも結構おいしいと感じたのは貝嫌いの私にとっては妙である。結局全部食べきってしまったのだが手についた臭いは翌日まで残っていた。

 遅くなってしまったため、ホテルに戻ってTVをつけると「NINJA KIDS」というドラマを放映していた。どうも現代日本を意識した作りのようなのだが(登場人物は日本人のようにも見えなくはない)忍術とカンフーを完全に取り違えていた。言葉はまったくわからないのだが、画面をみているだけで充分笑える。でも日本でも外国の文化をこのようにとんでもない取り違え方をしているのだろうな。

 これでヨーロッパでの予定はすべて終了した。正直あっという間だった。もう少しゆっくり出来たらよかったのだが...

 明日は日本に帰るのみである。しかし、そこに大きな落とし穴が待っていようとはこのときは思いもしなかった。
前日へ   翌日へ                          たぬちゃん

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