・4月27日(土) 晴

 翌4月27日。さしたる時差ボケもなく6時過ぎに目覚める。朝食で食べたパンのおいしいこと! ホテルそのものの作りは日本のビジネスホテルと同じで旅愁は感じられなかったが、このパンを食べた瞬間に「ああ、パリにいるんだ」ということを実感した。

 ホテルからはRERを利用してパリ市内へ。大きな荷物を持って近郊路線に乗ったので少々遠慮していたのだが、まわりはさして気にもとめていない模様。日本なら白い目線がいっぱい集まるところだが。途中Nordでメトロに乗り換え(ここでFomura 1を購入するため=ここからならほぼ1ゾーンですべて用が足りるから)。オペラ座の駅を出た瞬間に「外国だ。紛れもなくパリだ」という実感がこみ上げてきた。
路肩を水が流れている(犬の糞を流すためと言う噂を聞いたことがあるが、真偽のほどはどうなんだろうか)。
さあ、まずは今日の宿探しだ!ということで例によってJCBプラザに向かうとお休みだった...
(昔これと同じことを香港でもやったよなあ) 
仕方がないので同行した友人が以前泊まったことのあるオペラ座近辺のホテルにチェックイン。ヨーロッパらしい小さなホテルだが、中は結構清潔だった。マダムは英語を話してくれるので私たちにも予約が可能だったのだ。
(でもエレベーターの小ささには参った。荷物があると一人しか乗れないではないか)

いつものように荷物を置いてすぐパリ市内へ。まずはオランジェリー美術館を目指す。モネの睡蓮を見るのが目的だ。しかしここで感動したのはモネよりルノワールだった。本物のルノワールがガラス越しでなく眺められる。もうこれだけでパリにきたかいがあったというものだ。もちろん睡蓮もすばらしいのは間違いがない。「睡蓮の部屋」というのがあり、360度睡蓮に囲まれている。そしてビデオ撮影も自由ならば、寝転がってみることも出来るようになっているのだ。日本の美術館じゃ考えられないよね。

 その後
凱旋門へ向かう(もう完全なお上りさんコース)が、凱旋門を取り巻く長蛇の列(後でエレベーター待ちと判明)に恐れをなして、方針を変更して食事に向かう。
いくつか目星をつけていた店があったのだが、いずれも休業日にあたっていたため近場のカフェに入る。味がどうのという前にフレンチフライの量をみた瞬間、満腹になってしまった。ヨーロッパ人の胃袋は我々とサイズが違うのだろうか?

 その後再度凱旋門に戻ったが、まだ長蛇の列だったのでエレベーターはあきらめ、階段で登ることにした。凱旋門の上からみるパリは写真で見たのより小さく、シャンゼリゼ大通りも思ったほどきれいではない。ポプラ並木も仙台のほうがきれいなような気がする。うーむ。

 少々落胆したが、時間もないことなのでオルセーへと向かう。途中セーヌ河を渡るがここもさしてきれいだとは思わなかった。やっぱりTVレンズを通してみるとなんでもきれいに見えるものなのだ。しかしオルセーはすばらしい。無造作に展示されている絵画のどれをとっても一級品だ。彫刻もすばらしいものがある。特に以前から見てみたかったロダンの「地獄門」は写真でみるのより数段迫力がある。
やっぱりパリは美術館の街なんだ。街の風景そのものは平凡な都会にすぎない。パリという街は「花の都」という形容がされるように、様々に美化されて伝えられることが多いので、自分の想像の中でのパリというのはとてつもなく美しい街になってしまっていたので落胆したのかもしれない。

 まだ外は明るいが、同行した友人が夕刻より現地に赴任されている先輩と会うということで一度ホテルに戻った。その後友人は再度凱旋門へと向かったのだが、私のほうはというと、先日来の疲れからか体調を壊し、ホテル周辺を散歩しただけで寝てしまった。
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